ナイチンゲールを目標に

「看護覚え書」でナイチンゲールが語った看護とは

近代看護を確立させた人と言えば、誰もが「ナイチンゲール」の名前を挙げるでしょう。クリミア戦争で負傷した兵士に対して野外病院で献身的な看護をしたことで有名はナイチンゲールですが、看護に対してどのような考え方を抱いていたかご存知でしょうか。1860年に執筆されたナイチンゲールの著書「看護覚え書」を元に、彼女が生まれてから200年以上経った今、看護に対する考え方を参考にしてみましょう。「看護覚え書」でナイチンゲールは看護について、新鮮な空気と陽光、暖かさと清潔さと静けさの5つを適切に保った上で、患者に適切な食事を選択して管理しなければならないことを説いています。この考え方は、現在では看護する上での前提となる考え方です。しかし、当時は看護師の地位は低く、献身的に看護を行う存在はきわめて稀でした。そのため、「白衣の天使」の由来にもなったナイチンゲールのような考え方はまさに革新的だったのです。まずは辛い症状を抱える患者の生命力がそれ以上消耗しないように環境を整えることに着目したナイチンゲールは、「近代看護の祖」とも呼ばれています。その功績はたたえきれません。ナイチンゲールは自身の看護活動を通して、看護の必要性や重要性を社会に広く知らしめました。患者に寄り添い、少しでも苦痛が軽減されるように夜中も見回りを欠かさなかったナイチンゲールの「人を助けたい」という強い気持ちは、現在の看護師にとっても目指すべき存在です。